多嚢胞性卵巣症候群の私が1年以内で妊娠した不妊治療の体験談

26歳マタニティチェックで多嚢胞性卵巣症候群と診断

私は26歳で結婚して、すぐに不妊治療専門の病院にマタニティチェックを受けました。
マタニティチェックの結果、ホルモン異常が原因で卵巣からの排卵が起こりにくくなっている状態の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと診断されました。

元々、高校生の時から生理不順があり生理が何ヶ月も止まってしまうという事もありました。
もしかした妊娠がしづらい体質かもしれないとは思っていました。
しかし、実際に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠しにくい体と診断されると、正直とってもショックでした。

不妊治療10ヶ月で妊娠した体験談

多嚢胞性卵巣症候群と婦人科で診断を受けてから妊娠するまでどんな不妊治療をしたのか?
排卵誘発薬の服用、子宮内エコー検査で連続通院する日々、そして更に薬を強くしての注射療法。
結果が思うように出ずに、治療期間は、辛く思う事も多く、妊娠をあきらめそうになり涙を流した事もありました。

しかし、周りに支えながら治療を続けて10ヶ月で妊娠して無事に出産する事が出来ました。
そんな私の体験談を今回は書かせて頂きたいと思います。

少しでも多嚢胞性卵巣症候群で現在悩んでいる方のお役に立てたら幸いです。
また、将来的に妊娠したいと思っている方にも一度多嚢胞性卵巣症候群について知って頂ける機会になったらと思います。

不妊治療の治療方針説明

多嚢胞性卵巣症候群と診断されて、まず不妊治療の専門医に今後の治療方針を説明されました。
私の体は、排卵がされていない状態の為、先生におすすめされた治療は、排卵を促す薬である排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドをサイクル2~6日の間服用する。
クロミッド服用することにより、排卵を起こし、排卵が起きた事を子宮を写す経口エコーで確認。
妊娠しやすい時期にタイミング療法で妊娠に臨むというものです。
もし、何回かクロミッド服用の治療をして反応がない場合は、更に強い排卵効果を促す排卵をおこすための注射療法に移るということでした。

 

多嚢胞性卵巣症候群を旦那・親・友人に報告

その日のうちに、主人に多嚢胞性卵巣症候群と言う病気だと診断されたこと、今後の治療方針を話しました。
自分が妊娠しにくい不妊症であるという事実が、とても申し訳ない気持ちになり、謝ると「謝る必要なんてないよ!一緒に頑張ろう!」と励ましてくれました。

また、自分の親や親しい友人には不妊症であることを話しました。
子供の事を聞かれた時に気まづく話すより、はじめにこういう状態で治療をしている事を話しておいた方がいいと思ったからです。
周りの反応は、過剰反応せずに暖かく見守って応援してくれたので、話しておいてよかったと思いました。

 

仕事しながらの不妊治療妊活

不妊治療の医師の説明の通りはじめは、クロミッドを服用して排卵を促す治療から始まりました。
クロミッドを服用して、排卵が起こりそうな時に卵子の成長具合を子宮内エコーで確認します。
その為、卵子が成長していないと急遽、次の日も様子を診るため通院する事になり、不妊外来に通う日が読めなかった事に苦労しました。

仕事をしていたので、病院の時間に間に合うように急遽早退させて頂いても、卵子の成長が遅いとまたその次の日も通って様子を見なくてはいけないので、通院出来ない事もありました。
通院出来ないと、排卵のタイミングが分らない為、その月は妊娠するチャンスを諦らめなければいけずに精神的に疲労感だけが残りました。

クロミッド治療5回でも失敗

そして、残念ながら私の場合、卵子はクロミッドでは上手く成長しないため排卵せず。
5回の周期を治療しましたが失敗に終わりました。
ネットでも、80%の女性がクロミッドの服用で排卵出来る様になるとの情報があったので、自分は本当に妊娠できるのかと不安になりました。

そして、その不安のストレスによる副作用で今まできていた生理自体も2ヶ月間止まってしまいました。

排卵のみならず、生理自体も止まってしまい、スタートラインにすら立つことが出来ない悔しさ、情けなさ、更に妊娠できない不安に身体だけでなく心も押しつぶされそうでした。

 

生理が止まって自分はひょっとしたら男なのか?と疑問に思う

生理が止まってしまい、今度は生理を起こす薬を服用することになりました。
元々、多嚢胞性卵巣症候群の特徴として男性ホルモンが多く分泌されることで男性的特徴が出る事もあると聞いたので、精神的に悩み追い詰められた私は、不妊治療の専門医に

「自分は女性ではなく実は男ではないでしょうか」と聞いて専門医を驚かせた程でした。

今では笑い話ですが、当時は真剣で必死に聞いていました。

 

精神的に追い詰められたのを救ったのは優しさ

そんな私の精神状態を見た主人が「そんなに辛いなら、治療をやめよう」と言いました。
「こんなに必死で頑張ってるのに、何でそんな事言うの」と怒りましたが
「子供が欲しくて君と結婚したわけじゃないよ。君と一緒にいたいから結婚したんだよ。」
「でも、もし一生妊娠しなかったらどうしよう。。。」と号泣すると、
「そしたら、夫婦二人で今まで通り楽しく過ごせばそれが幸せだよ。」と言ってくれました。
不妊治療をしていると、妊娠できない自分をたくさん否定してしまい、ネガティブになっていましたが、例え妊娠出来なくても、自分の存在を認めてくれているという事に大きな安息を感じ涙が出ました。
そして、主人から話を聞いたのか友人から手紙やたくさんのメールが届きました。
その手紙やメールには今まで、不妊症の事は触れないほうがいいと思ったけど、辛い時には話して欲しいし頼って欲しい。
影ながら応援してる。
という内容が書かれていて、その優しさにも涙が流れて、心配してくれる人が居る支えられてるんだという事を実感しました。
その事に気付くと、折れていた心が前よりも強く立ち直りました。一人じゃないと思えたからです。
治療を前向きに受けられるようになりました。

不妊治療再開!初の排卵を確認

生理が再びくるようになり、次の段階はクロミッドの服用から更に強い排卵誘発剤の注射療法に切り替わりました。
排卵誘発剤の注射療法も同じように注射を打って、卵子の成長具合をチェックして、卵が成長していないようなら再度注射を打つというものでした。
中々、私の卵子が成長しなかったため、3日間連続してクリニックに通院して、注射を打ち続けました。

仕事面では、会社の上司や同僚に不妊治療の事を話すのは最初はためらいましたが、不妊症で不妊治療専門の病院に通っている事を話すと理解してくれて、通院の為、早退しやすくなりました。
仕事をしながらと言う環境の不妊治療は、本当に大変なので、周囲の理解は大変ありがたいことでした。

注射療法に変えて2回目の月の時に3回連続注射を打った翌日の検診で、排卵されそうなので、タイミングを取ってくださいと初めて言われました。

まだ、妊娠した訳でもないのに多嚢胞性卵巣症候群と診断されたのに排卵が出来そうという事が、とても嬉しかったことを覚えています。
この時のタイミングでは妊娠は出来ませんでしたが、後の血液検査でも排卵していた事が確認されてたので一安心しました。

注射療法を続けて4回目で待望の妊娠

注射療法を続けて4回目の月の時、連続の注射の後に再度タイミングを取りました。
2週間後。いつもはくる生理が来ません。
妊娠しているよりも先に、また生理が止まってしまったのではないかと不安に襲われました。
とりあえず、妊娠検査薬が使用できる1週間後まで様子をみました。
その間は、そわそわしていて全く落ち着きませんでした。

 

そして、1週間後。妊娠検査薬を家で使用し、反応をドキドキしながら見ると何と陽性でした!
思わず、ガッツポーズと同時に「やったー!」という大きな声が自然に出てしまいました。
帰ってきた主人に「じゃーん」と成功した結果を見せると「やったー!よく頑張ったね!」と言ってくれて、嬉しくて嬉しくて涙が出ました。
妊娠がゴールではなくて、ここからがスタートだという事も分かっていますが、本当に嬉しくてその時の陽性反応の妊娠検査薬の写真は今でも大切に持っています。

その後、妊娠中も大きなトラブルなく無事に長女を出産しました。
赤ちゃんだった長女も今では5歳になり、生意気な口にイライラすることもありますが、妊娠検査薬で陽性が出たあの日の事を思い出しては生まれてきてくれて、ありがとうという気持ちになります。

不妊治療は頑張り過ぎないで一人で抱え込まないで

多嚢胞性卵巣症候群をはじめとする不妊治療は早くからの治療が大切です。
いざ、妊活をしたら治療が必要だったなんてケースも多いので、早くから自分の体について知っておいて損はないと思います。
そして、今、多嚢胞性卵巣症候群で治療を受けられている方に、私から伝えたい言葉は頑張りすぎないで乗り越えて下さいということです。
なぜなら、今現在とっても頑張って治療を受けているはずだからです。
どうか、頑張りすぎないで下さい。
そして一人で悩まないで下さい。
不妊治療中は長期戦で傷つくことや辛いことも多くあると思います。

私自身も街中で妊婦さんを見ると羨ましくて、何で私は妊娠出来ないんだろうと妬んでしまう日もあり、そんな、やましい気持ちを持ってしまう自分自身に嫌気がさしては落ち込みました。

辛い時はパートナーの方や信頼出来る人に相談してみて下さい。
自分の気持ちを口に出すだけでも大分気持ちが落ち着きます。一人で抱え込まないで下さい。

今の時代、二人に一人が多嚢胞性卵巣症候群をはじめとする不妊症にかかっています。
不妊症は珍しいことでも、恥ずかしい事でもないのです。

私自身、自分が不妊症でかかっていることを周りに話すことが最初は嫌でした。
しかし、話してしまうと思いのほかスッキリして、将来子供が出来たらという話や不妊治療の話がしやすくなりました。

会社にも話すことにより、不妊治療専門の病院にも通いやすくなりました。
周囲の方の反応もデリケートな問題なので逆に話してくれてよかったと言ってくれています。

多嚢胞性卵巣症候群は、諦めずに治療をすれば妊娠出来る確率が高い症状だと通っていた不妊治療専門のお医者さんは、話していました。疲れてしまったら、治療を休むのもいいと思います。
どうか、頑張りすぎて自分を追い込まないで最後まで諦めないで妊活をして欲しいです。
 

 

こちらのコラムも人気です!